梅村長幸、考え中。

蛇の瞳に恋してる

カルテット第5話

引き続き第5話の感想。今までこのドラマで好きだった他愛もない会話劇からの伏線回収のパターンはほとんど出てこなかったのが少し残念ではあるものの、見終わった後にこのことばかりを考えすぎてしまうほどの、とても濃密でかつジェットコースターのような展開で整理するのが超大変。

 

巻(松たか子)以外の3人の自己紹介が終わったのが前回までで、第五話は前半と後半で全く別の話になっていて、これがこれが第一章と第二章の区切りにもなっているように思われる。前半はコスプレやキャラもので視聴者へのサービスを提供しつつ、音楽家としての現状をあらためて再認識させる展開。しかしここでの軸は巻であり、すずめ(満島ひかり)であった。音楽家としてのプライドをへし折られながらも、立ち向かわせるように立ち直らした楽屋での展開は見事だった。

 

さらに白眉なのは屈辱的な展開のあとの路上ライブのシーン。すごく後味が悪いあとの、笑顔での4人の演奏シーンは多幸感があふれほっこりしたものになっている。個人的にはここのシーンがとてもお気に入りだ。そしてこのタイミングでのタイトルバック「カルテット」・・・ってあれ?ここで時間を確認したらすでに30分すぎている。始まりにしては遅すぎる、終わりにしては早すぎる、実に中途半端な時間だ。そして、ガラッと変わる展開。前半だけでかなり充実していたのだが、実は第五話の本番はここからだったのだ。

 

台風の目は有朱ちゃん吉岡里帆)である。不気味な存在としていままでじわじわと存在感を見せつけていた彼女がついに爆発する。前回、見事なカツアゲを見せていたことでお金によって動く女のイメージを植え付けられた僕たち視聴者は、鏡子(もたいまさこ)との接触をにおわせるだけで何が起きたのかを悟ることができる。なんども見せられてきた見事な伏線だ。そして始まった地獄の女子会。正論をロジカルに無感情にバシバシ巻にぶつけ、さらにはすずめの精神をえぐる。最後に盗聴がばれた時の手のひら返しも見事で、2人の演技派女優に負けていない吉岡のすごさがうかがえる。そして満島の言葉を発しないままで魅せる、あふれ出る感情表現も見事としか言いようがないだろう。

お金で動く有朱が無感情に巻にぶつける正論の数々。。。それはこのドラマのテーマでもある、グレー状態でみんな生きていることを言語化して、人間の生き方をはっきりみせたものである。ただ、その主張は「ネガティブな感情を隠すため」にみんなグレーを利用しているというものに偏っているようにも思える。これに対する巻の回答は得られないまま終わっている。その答えはこの後のドラマで見ることができるのだろう。

 

ということで、見終わった後におなかが一杯になってしまった。情報量が多く、まだちゃんと整理もつかないままにグダグダと書いてしまっているが、今後の展開が楽しみでしょうがない。始まった2章も引き続きついていく所存である。