思考ノイズ

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ジョジョの奇妙な冒険 ダイアモンドは砕けない 第一章

久しぶりに映画観ました。ジョジョの実写化映画。しかし最近はジャンプ漫画の実写化が多いですね。人気作品は認知度があるからある程度の収益が認められて、予算が落ちやすいということなのでしょうか。

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映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイト

実写化されるのは原作のジョジョの第四部、日本の杜王町を舞台に東方仗助を主役にスタンドバトルが繰り広げられたジョジョ内でも人気のある部。個性あふれるスタンド使いたちが登場し、「力の強さ」だけではなく、頭脳戦とチームワークで敵スタンド使いを倒していく熱いバトルが持ち味となっている。

勝手な推論を続けさせてもらうと、実写化に当たり、4部を選んだのは「ギリ実写化可能」な舞台だったからといえるのではないだろうか。すべての始まりの一部や、一番人気の三部は実写化するにはあまりにも現実味をもった絵作りが難しそうである。また3部は長旅を続けていろいろな国の人が登場するため、旅前提により映画の尺と物語の進行度の兼ね合いも難しそうだ。その点4部ならば、舞台は日本の一都市(杜王町仙台市がモデル)で、進行度の調整もあるていど自由にできそうだ。日本人に親近感があり、さらに実写化しても比較的リアリティ感が保てそうな4部を選ぶのは当然かもしれない。

しかしながら、日本の一都市というのはあまりにも観客に身近すぎるため、登場人物が浮きすぎてしまう。漫画の登場人物の姿格好に似せようとすればするほど、現実世界ではとても奇抜な方たちになってしまうのだ。ジョジョパラドックスといま思い付きで名付けた。製作者サイドがこのリアリティラインの調整を頑張っている様子はすごく感じ取った。例えば杜王町の町の感じは劇中で「日本の一都市」と堂々と語らせているにはあまりにも欧米的な雰囲気が強い。がちがちな日本の都市感を背景にしてしまうとリアリティラインが上がりすぎて、登場人物とのギャップが激しくなってしまうことを防いだと考えられる。

そんな努力はみられるのだが、残念ながら登場人物のういている感じはぬぐいきれない。例えば仗助が髪をからかわれてブチ切れるというシーケンス。これは4部にはなくてならないものだと思うのだが、残念ながら登場人物ほとんどの髪型は(原作に忠実に再現しているため)、おかしい。もっとからかいたくなる髪型のやつはたくさんいるどころか、最初にからかっているヤンキーですら「おまえがいうな」状態になってしまっている。

もう一つ、すこし残念だったのはスタンドのCGがどうもゴム人形や特撮の着ぐるみみたいに見えてしまった。なんかちょっと安っぽい。これは現実に形状の「スタンド」を現実空間に押し込んだためにでるギャップで解決策はないのかもしれない。

文句ばかりではなく良かった点をあげると、個人的にクレイジーダイアモンド v.s. バッドカンパニーはちょっと燃えた。これは見れてよかったかなと思いました。

今作は第一章となっていますが、今後何章まで続けるのかは不明ってことでしょうか。今回、バトルははじまっていないですが、由香子、露伴、鈴美、(トニオも?)あたりの伏線もいろいろ込めてくれたようです。不安なのが観客動員数によって無理やり幕引きとかそういう事態はファンとしては望まないです。また、しょうがない、ということは重々承知の上、一言。 レッドホットチリペッパー省いたかー!ザ・ハンドでざっくり削り取られたんかー! ある程度まとまりをつけるためには個性的な4部キャラの(泣く泣くの)選定は必要になってくるでしょう。そのあたりの采配も期待をしておりますので、次回もなにとぞよろしくお願いいたします。